最近ニュースになることが増えてきた無痛分娩。
無痛分娩でまったく悪いことがなくむしろ良いことづくしだった星子としては、悪いニュースのイメージだけで無痛分娩という選択がダメなんじゃないかと萎縮するようになってしまったらもったいないなあと思うわけです。
星子の無痛分娩体験記↓
目次
厚生労働省による無痛分娩についての緊急提言
麻酔使った「無痛分娩」で13人死亡…厚労省、急変対応求める緊急提言〔読売新聞〕
記事によると2010年から2016年の間の無痛分娩をおこなった出産の死亡例は13人、うち1人が麻酔薬による中毒症状で死亡、12人は大量出血や羊水が血液中に入ることで起きる羊水塞栓(そくせん)症などだったという。
これは無痛分娩による死亡は麻酔による中毒症状である1例ということではないでしょうか。それ以外の死因はどのお産でも起こりうるリスクですよね。
そして厚労省が急変対応を求めると公的に提言してくれるなら利用者としては安心感が増します。
無痛分娩に対するニュースのネガティブイメージ
要はこれから増加するであろう無痛分娩に対して緊急時の体制を整えてくださいねという提言はむしろ妊婦にとってはより無痛分娩を選択し易すくなる進歩なはずですが、ニュースの表題や報じ方がなんだかネガティブ。
「無痛分娩」「死亡」なんて言葉を表題に並べれば母親たちは無痛分娩を選ぶのを躊躇してしまうだろうし、その選択肢が悪い母みたいになってしまうんじゃないかと懸念してしまうのです。
もちろんニュースであるように麻酔で中毒をおこし亡くなってしまった方がいるのも事実。
ただ麻酔で中毒を起こす方は分娩以外の麻酔でもリスクのある方。帝王切開でも安全だったかは疑問です。
ちなみにゴムアレルギーの方が帝王切開手術の際、医師の医療用ゴム手袋でアナフィラキシーをおこし死亡仕掛けたという話も聞いたことがあります。
だからといって帝王切開が危ないという話にはならないですよね。
どのようなお産でも妊婦さんの事情によっては何かしらのリスクはあるのです。
もちろん普通分娩でも。
普通分娩の死亡例が出たからといってじゃあ普通分娩を止めようという話にもならないですよね。
無痛分娩にもリスキーな側面と多くのメリットを持ち合わせているのでニュースのイメージで妊婦さんたちが無痛分娩を選び辛くなるのは残念です。
無痛分娩でよく聞かれる不安が本当なのか。
無痛分娩はいきむタイミングが分からないんじゃないか?
これはよく言われていますが、いきむタイミングが分からないのは助産師さんや医師に問題があるような。。
出産未経験ならいきむタイミングなどそもそも分からず、お産も最後のほうになればずっといきみたい感覚になります。けれども勝手にいきむとむやみに会陰が裂けて大怪我になったりします。
私は長女のときも次女の時も先生や看護師さんがいきむタイミングを合図してくれましたのでその合図に合わせていきみました。
なので普通分娩だろうが無痛分娩だろうが何にも言ってくれなければいきむタイミングなど分からないです。
ちなみにいきむときに息継ぎをすると「やりなおし!」と言われました(笑)
息継ぎの瞬間に赤ちゃんが引っ込んでしまうらしいのでいきむときは大きく息をすって思い切りがオススメです。
もうほんとに巨大なう⚪︎こを出すように。(ほんとうに)
私は次のやり直しで無事に出てきました。
陣痛が弱くなる
これはしばし起こることがあるようです。
麻酔を使ったことで陣痛が遠のいてしまうという方。
こういった場合には一時的に麻酔を使うのをやめたりお産が進まない場合は陣痛促進剤をつかったりということになるようです。
私のときはまったく陣痛が遠のくというようなことはおこりませんでした。
普通分娩でも突然陣痛が遠のくというケースはしばし起こりますが無痛分娩によって微弱陣痛になるケースというは増える可能性があるようです。
陣痛促進剤の多量摂取
陣痛促進剤の摂取過多による医療事故なんかも起きているようですが、これは読んで字のごとく過剰に投与するからということですよね。
無痛分娩に関わらず陣痛促進剤を過剰に打てば危険であってこれは何分娩であっても危険です。
分娩方法の問題というよりも医師の問題かと思われます。
無痛分娩の場合多くの産院では陣痛促進剤を使った計画分娩になるようですが、私の場合は陣痛が起きるのを待ってからの無痛分娩でしたので陣痛促進剤は使用していません。
このあたりも事前に聞いておいて陣痛促進剤の使用を避けたい場合は計画分娩ではない産院を選ぶ方がよさそうです。
とは言っても自然にこだわったとしても微弱陣痛が続き母子共に危険があると判断されれば陣痛促進剤によって出産することが優先されます。
逆に陣痛促進剤によって救われた命も多々あると思うとやはり分娩方法よりも医師や産院の体制を気にするほうが賢明です。
余談ですが私の親戚で薬や医療介入が好きではなく、自然にこだわった理想的な出産像があったのですがいつまでたっても陣痛が起こらずこのままでは赤ちゃんが危ないということで陣痛促進剤の投与を開始、それでも微弱陣痛にしかならず結局帝王切開による出産となりました。
思い描いた出産とはならず彼女は大泣きしたそうですが何の問題もない元気な赤ちゃんが生まれました。
彼女に良かったねとは言いにくいですが医療の恩恵で赤ちゃんが生まれて安心しました。(もちろんおめでとうは伝えました)
どんな分娩でもリスキーなのですよね。
痛くなければ愛情が湧かない
そんなわけありません。
子供を捨ててしまったり、虐待してしまったりしている方のほとんどが普通分娩だと思いませんか?(コンビニのトイレで産んだとか自宅で産んだとか)
愛情が湧かないのは痛くないせいではなく他に原因があるはずです。
そもそも無痛分娩でもそれなりには痛いです。
普通で産むよりマシなだけで痛みは残ります。ただ大パニックに陥ったり、ぐったりするほど陣痛と戦ったりしなくて済む分むしろお産に余裕ができて生まれてきた赤ちゃんをドラマのように感動的に迎えられます。
体力と心に余裕が残っているのです。
ヘトヘトくたくたになって普通分娩で産んだ長女より体力と心に余裕の残った次女の無痛分娩のほうが出産自体は楽しかったくらいです。
痛くなければ愛情が湧かないないなんて誰がなんの為に言ったのか甚だ疑問です。
帝王切開で生まれた多くの子供たちもちゃんと愛されていますよね。
無痛分娩のリスク
中毒症状
では無痛分娩ならではリスクを何か考えると、ニュースであったように麻酔の中毒症状です。
これを考えると薬でアレルギーのある方や元々アレルギー体質の方はかかりつけの医師にしっかり相談した方が良さそうですね。
医療ミス
また無痛分娩でよく行われる硬膜外麻酔自体、背骨の髄液を守る硬膜の外側に針を刺すという繊細な作業。ここで刺し間違いがおきて硬膜を刺してしまうと髄液が流れて深刻な症状がでてしまうということです。
これで死んでしまうということはないようですが、髄膜の穴が塞がるまでは重い頭痛などの症状がでてしまうようです。
これを考えると産院の評判や緊急時の体制など事前のリサーチは必須だと思います。
また針を刺すときに怖くて動いてしまうのですが、動くと医師も針を通すのは難しいはずなので針の刺し間違いがおこらないように受けるほうもじっと動かないようにしたほうが良いです。
結局は出産方法よりも病院選び
ニュースをみるとネガティブな記事ばかりが目立つので無痛分娩が危険みたいに写ってしまいますが、訴訟を起こされる案件も目立ちます。
危険に陥った妊婦に適切な処置をしなかったとか、陣痛促進剤の過剰摂取だとか、硬膜外麻酔の針の刺し間違いなどなど、これらはどう見ても医療ミス。
適切な運営をしない病院は何人も事故を起こしていますし、リスクに対して無頓着。
こう見るとそのいい加減な病院においては何分娩であっても危険です。
無痛分娩を扱っている病院はまだ多くはないのでそれだけで産院選びをしてしまうのは危険かもしれません。
長くその地域に住んでいるママたちは色んな情報を持っているはずなのでリサーチすることがおすすめです。
私も保育園のママ友から地域のいろいろな産婦人科情報を聞きました。
そのうちには看護師さんやスタッフだったなんていう人も現れ食材をどこで買っているかや先生がどういう人かという情報まで入ってきます。
ママ情報は本当にあなどれません。
病院が決まったと言うと悪い情報は流しにくいですが、どこがいいかなあ〜と発信すればどこからともなく情報が集まってきます。
情報収集を怠らないことが大事ですね。
もし近くで見つけた数少ない無痛分娩ができる産院の評判が悪ければスパッと諦めるか遠方で探すかというふうに方向転換も必要かと思います。
あそこは無痛分娩ができるけど事故が多いよなんて聞いたら私はムリです。
無痛分娩の普及は少子化の歯止めになるかも
私の住む地域には田舎ですが比較的安価で無痛分娩のできる産院があり周り、そのためか無痛分娩の経験ママたちが多いのです。
そのママたちと話すのはとにかく無痛分娩は良かった!楽だったの声です。
もちろん無痛分娩でも難産だったというかたもいます。
リスクを考えた上で選んだほうが良いのはもちろんですがどんな出産にもリスクはあるので必要以上に萎縮するのはもったいないように思います。
私自身も無痛分娩ならあと数人産めそうと思ったくらいです。育てるのが大変なのでもう産みませんが。。
出産の思い出が苦しいと1でも2人でもいいかなというところが出産の思い出が楽しいと育てられるならもう少し産もうかなになるのではと本気で思います。
家族計画というものがあるのでどのくらいになるかは分かりませんが、無痛分娩が一般的に広がれば少子化もいくらかは改善するのではと思います。
政府は無痛分娩の費用も補助すれば将来ちゃんと返ってくるのではと本気で思う星子でした。